北摂ロマネスク

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【天野月】GREAT!PUSH!BEST!2

名盤推し盤これ一番を語るシリーズ第2弾

 
この記事を書き始めたのが2016年7月。今日(2019年3月31日)までの間に活動休止宣言があり、再始動があり、そして明日2019年4月1日に5年ぶりのニューアルバム「Five Rings」が発売される。私もこの3年近くの間にいろんなことがあったが、活動復活の報を受けて、やはり記事をアップしないわけにはいかないなと思ったので仕上げることにする。
アルバム発売おめでとうございます!うれしい!つっこ大好き!!
6月のライブ行きます!!ありがとうー!!!
 
記事の概要は前回のこれをご覧ください

 
まず、つっこめっちゃすきなんですよっていう紹介
ゲームの二次創作をやっていた頃、ジャンルの先輩がカラオケで歌ってくれた「1/2 -a half-」「花冠」(共に2005)に面白いように転がったのが始まり。これで小説1冊書ける、映画1本撮れると、物書きのいい所をくすぐる楽曲の山に嬉しい悲鳴の連続だった。
エレキが唸るゴリゴリのロック、クセはあるが美しいファルセットの虜に。ほかの誰とも異なるブラックファンタジーな厨二要素、さらに写実的な生活感の描写とそのミックスの加減が秀逸。
これだけ多彩な曲を書けばより強くセックスアピールに振る選択肢もあっただろうに、直接的な表現をせずストイックに、抽象的に「かっこよく」色気や狂気をうたう所も非常に好感を持った。下品じゃないエロティックさやバイオレンスって絶対大事。
 

GREAT「天龍」(2004)

漢字一文字で統一されたナンバーの並びがなんとも美しく、堅固な守りだ思っていると一気に攻めに転じられる油断ならない一枚。文句なしの名盤だと思う。
タイトル揃えだけの統一感かと思いきや、ぜひ一枚通して聴いて、上質な「はじまり(劔)」「おわり(枳)」があることを知ってもらいたい。この二曲があるからこそ、日常、非日常が混在したバラエティ豊かなアルバム曲や「蝶」のような力強いタイアップ曲が活きる。「目を覚ませ わたしの獣」と帯にもフューチャーされた「龍」はアルバムの圧倒的な山場。
 

PUSH 「A MOON CHILD IN THE SKY」(2005)

つっこを知ってくれ!とプレゼンをする際、どの楽曲をまず推すかでファンの傾向がわかる気がする。「人形」「菩提樹」「鮫」「箱庭」「HONEY?」など、人それぞれ違うだろう。その中で私は、何よりもまず「花冠」を聴いてもらいたい派である。しかし「花冠」はアルバムの中の一曲でありかつ終曲であり、その最大限の魅力が引き出せるのはやはりアルバムという作品としてだと思う。
風鳴りのようなインストから、じわじわと侵食するように本編が始まり、アッパーなロックテイストを滲ませていく。途中少しなだらかな道が続くが、アニメやゲームのタイアップ曲がここぞと光る。終盤再度エンジンがかかり、可愛らしく切ない「博士と孔雀」からの圧倒的エンディング「花冠」である。壮大で退廃的かつ、悲しく美しいラブソング。これだ。素晴らしい終焉だ。
この後シークレットトラックで口直しがあるが、それも込みでアルバム作品として聴いて欲しい。すべてを含めてタイトル通り、「天野月子なのである。
 

BEST 「ZERO」(2008)

お察しの通り重度の「花冠」厨なので「A MOON~」と迷いに迷っての「ZERO」。英題のトラックの中にひとつだけぽつんと邦題が目立つ「糸電話」がこのアルバムの私の鬼門である。好きすぎて泣くやつ。好きすぎて歌えないやつ(JOYにしか配信されてません)。
アルバムとしては、コンセプトよりもオムニバス感が強い。ドラマチックなゼロの調律の英訳版から始まり、さながらハリウッド映画のようなトラックが続く。そして百点満点の名曲「Howling」、ポップな中にゴリゴリエレキの響く「KITCHEN」も良い日常枠。「HANDS」「Hello」はアルバム内で対になっているようにも思える、真摯なラブソング。そして海外のホームドラマのようなエンディングは、まさにこのアルバムに相応しい。

 

おまけのSECOND PUSH
前回関ジャニ∞と高橋優の記事を書いた際、推し盤の二枚目も書いておけばよかったと思ったので今回は書く。一枚PUSHを聴いてくれた友人がそれを気に入ってくれたとして、もう一、二枚さらにディープなお気に入りをトドメとして貸すなら……という感じ。(因みにエイトならJUKEBOX)

SECOND PUSH 「Sharon Stones」(2002)

「MEG & LiON」(2002)と悩んで、より天野月子時代の「名刺代わり」っぽい所が好きなこちらをPUSH。今通して聴いても、全部シングルアップ曲?っていうくらい個性とパワーのある曲ばかりのアルバムだと思う。一発目の菩提樹の美しさが素手で殴ってくる感じが本当にすごい。そして勿論出オチじゃなくアルバムの最後までトラックの勢いが落ちない。

SECOND PUSH 2「Licht」(2010)

天野月に名義を変更してからのミニアルバム。鍵盤やストリングスに溢れたメルヘンチックなミニアルバム。全編を通してハードカバーの童話のような、ロックとは一線を画した作品。つっこどうしたの…とオロオロした当時が懐かしい。完成度が高くてタイトル通り光に満ちていて明るくて甘い匂いがする。上記の「Sharon Stones」と合わせて多面的な彼女を感じてほしい。

 

天龍

天龍

 

 

A MOON CHILD IN THE SKY

A MOON CHILD IN THE SKY

 

 

ZERO [リマスター版]

ZERO [リマスター版]

 

 

Sharon Stones

Sharon Stones

 

 

MEG & LiON

MEG & LiON

 

 

Licht

Licht

 

 

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天野月「Five Rings」全曲クロスフェード